2059 大森城

戦国時代 考証 中井均・可児市教育委員会 2016 可児市蔵

中規模の戦国城郭で、土岐氏の家臣、奥村氏の城。しかし、ダイナミックに巡らされた横堀と、横矢を意識したテクニカルな虎口が見られ、小牧長久手合戦の際に改修されて使用されたのではないかとも想像されている。

2058 今城

戦国時代 考証 中井均・可児市教育委員会 2016 可児市蔵

丘陵の先端部を利用した城で、小振りだが堀や切岸の遺構がほぼそのまま残る。
虎口の桝形だけは、城の規模に似合わない大きさで、小牧長久手合戦の折に、戦国の砦跡を再利用して虎口を強化したのではないかとも想像されている。

2051 明知城と落合砦・仲深山砦

戦国時代 考証 三宅唯美・中井均 2020年 恵那市蔵

落合砦上空から明智集落を見下ろしており、時代設定は2050と同じ天正2年。中央が明知城で、西側(左下)の山麓には後世、陣屋が作られた。当時も、山麓居館や家臣の屋敷、寺院、神社などがあり、街道沿いに町屋もあったと想定している。右は仲深山(なかのみやま)砦で、明知城と同様、畝状竪堀がある。手前の落合砦には井戸が残り、明智光秀の産湯を汲んだという伝承があるが、砦の実態は不明部分も多い。

2050 明知城

戦国時代 考証 三宅唯美・中井均 2020年 恵那市蔵

別名白鷹城。明智一帯を治めた遠山氏の居城だが、武田、今川、織田といった戦国大名の勢力の境目にあり、度々戦場となっている。特に、武田信玄の跡を継いだ勝頼が、織田方についていた明知城を攻略した天正2年の戦いは大規模だったと思われ、その少し前くらいを想定して描いた。規模の大きい畝状竪堀が特徴の城で、現地もよくその形を残している。

857 高山城本丸

安土桃山時代  考証 香川元太郎 2020年

金森長近が築いた飛騨高山城の本丸部分を南東から見る。金森氏が元禄年間に国替えとなり、城は一時加賀の前田氏の預かりとなった後、廃城とされるが、その際に記された平面図から復元考証ができる。金森長近の城では、越前大野城も絵図があり、他の近世城郭に見られない変則的な天守があったことが伺える。

2042 大垣城鳥瞰

江戸時代 考証 大垣市教育委員会 2020年 岐阜県大垣市蔵

大垣城は豊富な水を利用した平城で、戦国時代から地域の戦略拠点となっており、関ヶ原合戦では西軍の本陣となった。イラストは江戸時代の大垣城の全体像。江戸時代の間にも御殿の位置は変遷があり、城の櫓は減っていく一方、城下町は広がっていく。イラストは正保城絵図を中心資料としながら、複数の絵図からも情報を読み取り、大垣城が最も充実した状態を描いた。

2043 大垣城天守断面

江戸時代 考証 大垣市教育委員会 2020年 岐阜県大垣市蔵

大垣城天守は、4階建てで、複数の復興天守や模擬天守でモデルに使われている。太平洋戦争の際に焼失したが、それ以前の調査図面や写真が残されており、その記録から描いた。復元したのは焼失前の天守であり、江戸時代には右側に多門櫓が続いていたと思われる。

2039 古川城

安土桃山時代 考証 中井均 2020年 岐阜県飛騨市蔵

飛騨の国人領主、古川氏(姉小路三家の一つ)の城。その後力で古川氏の名跡を継いだ三木氏の本拠。織田信長のもとで飛騨に侵攻した金森氏が、一時期は古川城を本拠としたと考えられ、本丸周辺には織豊城郭的な石垣の跡が残る。
遠景右は、金森氏の新城、増島城で、建設中の様子を想定。古川城の対岸にあった集落も増島城下に移転させている途中。
遠景左端の山城は、小島氏 (姉小路三家の一つ) の本拠だった小島城で、古川城と同様、金森氏の改修が入ったと考えられている。

2040 傘松城

戦国時代 考証 中井均 2020年 岐阜県飛騨市蔵

 飛騨市神岡町周辺を見下ろす山城。西から見る。北飛騨の国人領主、江馬氏の城と考えられる。西側は大規模な堀切を重ねて防御が厚い。城の東側(遠景)は、江馬氏の中心地で、様々な施設が見られる。
左から、当時の江間氏の館と思われる東町城(神岡城)、 室町時代の館跡として国史跡に指定された江間氏館(下館)の跡、 当時の江間氏の主城である高原諏訪城、廃絶寺院の跡、山間の支城である岩ヶ平城と洞城。

2034 加納城

江戸時代 2016年 考証 香川元太郎 個人蔵

天下普請で築かれた加納城の天守(御三階櫓)。享保年間に描かれたという立面図をもとに推定復元した。

2037 高原諏訪城 

戦国時代 考証 中井均 大下永 2018年 飛騨市蔵

北飛騨の国人領主、江馬氏の本城。堀切と竪堀で隔てられた尾根にも、点々と防御施設があった。背後の谷は、現在ダム状施設によって地形が変わっている。
画面左端に、室町時代の江馬氏の館跡があるが、ここは現在、発掘調査に基づいて会所、庭などが復元されている。

2038 小島城

戦国時代 2018年 監修 中井均 大下永 飛騨市蔵 2021年加筆

飛騨の小島氏の本城。小島氏は三木氏の傘下に入り、江馬氏を攻めて高原諏訪城を落城させたとされるが、その小島氏や三木氏も金森氏によって滅ぼされる。
小島城の中心部に見られる織豊城郭的な石垣は、金森氏の改修によるものと推定されている。

2006 金山城中心部

安土桃山時代  考証 中井均 2015年 可児市蔵

金山城は典型的な織豊城郭で、岩山の各所に石垣が残る。
全面的に発掘調査が行われており、イラストの建物も大半は礎石などをもとに復元した。

2005 金山城

安土桃山時代  考証 中井均 2015年 可児市蔵

もとは斎藤氏配下の戦国城郭だったが、織田信長が美濃を手に入れた際、森可成が居城として大規模に築城した。
城下の木曽川には湊遺構も残る。

2009 久々利城

戦国時代 2016年 可児市蔵

可児市に城址が残る山城。
久々利氏が居城としていたが、金山城の森氏によって奪われた。
地形がよく保存されている。